門倉太久斗 / 22世紀ジェダイ 個展 2024.6.7 - 6.29
このたび和田画廊は門倉太久斗/22世紀ジェダイの個展「お化けがいるならそこ」を開催いたします。
門倉の描く花たちは自由に咲き乱れ、花瓶に生けられていることを忘れてしまうほど大きく飛び出しています。主として静物画の題材となる花や果物も、門倉の作中では平面的でありながら躍動感に満ち、描くモチーフ全てが主役でありながら個が共存しています。 自己主張を怠らず個性を存分に見せる姿はさながら感情を持つ生き物のようです。 キャンバスから溢れんばかりのユニークなモチーフは、花=美しいという明快さの枠を超え、こちらに向かって飛び出してくるような動きを感じさせます。それは門倉が大きく影響を受けたという折口信夫の民俗学研究に起因します。異郷からやってくる神「まれびと」を畏怖しながらも祭りでもてなし帰っていただくという日本の風習が投影され、門倉の作中において花は花瓶から「やってくるもの」、つまり畏敬の対象として描かれているのです。 ARTIST STATEMENT 私は長くファッション業務に従事しておりました。ことファッションショーのランウェイについては特別な思い入れがあります。年に2回、異形の身体をもった人たちが奇妙な格好で練り歩くこのイベントはさながら百鬼夜行のようです。日本には秋田のナマハゲや宮古島のパーントゥのように、ある決まった季節に異界からやってきて人々の日常や認識を脅かす来訪神がおり、この神々は折口信夫によって「まれびと」と名付けられました。この行事にどのような意味をみいだすかは諸説ありますが、古くから人々は、日常を強制的に破壊し、常識を揺さぶる行為に重要な意味を見出していたことが伺えます。最先端のファッションをお披露目するランウェイには奇妙な一致点が多くあり、同じような役割をもった祭りのように感じられてなりません。 花と花瓶にも同じような役割を感じます。(花が顔や目に見えて怖い)と感じる人が一定数いますが、私もそれです。きれいですが同時に奇妙で怖くてしかたがありません。花瓶に花が生けてある状態を見ると、さながら花瓶を通路として花々がこちらにやってきてしまったようにかんじられます。お化けがいるならそこでしょう。また、花もランウェイもその時だけのインスタントな存在であることも何かしら関係があるように感じられてなりません。私にとっては絵に描きとどめておくのに十分な理由です。 絵のタイトルはシュバルの理想宮(Palais idéal du facteur Cheval)からかりております。絵の内容とは直接関係ありませんが、シュバルのような存在でありたいと常々思っており、タイトルを借りています。 門倉太久斗 / 22世紀ジェダイ 個展
2024年6月7日(金) – 6月29日(土) オープニングレセプション:6月7日 16:00-18:30 時間:火〜土 13:00 - 18:30(休廊日:日・月・祝) Wada Garou Tokyo 〒104-0061東京都中央区銀座3-5-16 マツザワ第10ビル3F PROFILE 門倉太久斗 / 22世紀ジェダイ | Takuto Kadokura / 22nd century JEDI 埼玉県生まれ、武蔵野美術大学造形学部空間デザイン科ファッション専攻卒業。コム デ ギャルソンにパタンナーとして従事しながら、愛するアニメ、プリキュアをモチーフとしたネックレスを制作、「22世紀ジェダイ」としてSNSで発表し注目を集める。独立後、「門倉太久斗」名義で発表する絵画作品では、「やってくるもの」をテーマに表現を追求。独自の形状をした植物や人物などをモチーフに、絶妙な構図と色の組み合わせで画面いっぱいに描き、中毒的な魅力をもって鑑賞者を引きつける。 |