挿絵銅版画展 2024.1.26-2.10
このたび和田画廊は版画家 本村綾による個展『挿絵銅版画展』を開催いたします。
ドライポイントとカーボランダムという技法を用いて生み出される作品は、ひとつの線が語るやさしい日常を見ているかのようです。細かい針や刀の動き、手の力加減、その全てが作家の見聞きしたものや想像すること、そして目に見えない小さな心の声と共鳴して一本の線に詰め込まれていきます。 作家は2021年2月から2023年11月まで、雑誌「文藝春秋」に連載された西川美和さんのコラム「ハコウマに乗って」の挿絵を銅版画で担当いたしました。本展では、2年10ヶ月にわたる連載の全挿絵34点の中から選んだ23点の原画と、オリジナルの銅版画作品を展示します。 ARTIST STATEMENT
大学生の頃に、イラストレーターの大橋歩さんが描かれた銅版画の挿絵を見て、銅版画に憧れ、銅版画をはじめた私にとって、銅版画で挿絵を描く仕事ができたことは、自分の原点に戻るようで、大きな喜びでした。 20cm×13cmの小さな銅板に、ドライポイントとカーボランダムという技法でイメージを刻み、インクをつめ、プレス機で刷り上げた挿絵。 挿絵のために銅版画をつくっている時間は、宛名のある手紙を書いているようで、幸せで特別な時間でした。 連載が回を重ねるにつれ、原画である銅版画を、実際に見てもらいたいという気持ちが大きくなり、この度の個展で展示させてもらう運びとなりました。 本来は、挿絵は文章とともにあってはじめて成り立つものですが、銅版画の表現にスポットを当て、ギャラリーという空間でまとまった形で展示することで、銅版画家としての新たな側面をお見せできる機会となれば嬉しく思います。
PROFILE 本村綾 | Aya Motomura 1993年 東京生まれ 2017年 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業 2019年 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻版画研究分野修士課程修了 [主な展示] 2023年 本村綾が物語る銅版画展 (大手町 /日本経済新聞社東京本社ビル2F 「スペース ニオ・アートギャラリー」) 2022年 The Prize Show!~What’s藝大? 2022年 第16回藝大アートプラザ大賞展 (上野 / 藝大アートプラザ) 2021年 The Prize Show‐藝大アートプラザ大賞受賞者招待展‐ (上野 / 藝大アートプラザ) 2021年 第15回藝大アートプラザ大賞展 [入選・受賞歴] 2020年 HB Gallery File Competition Vol.30 大賞(日下潤一賞) 2019年 第14回 TAGBOAT AWARD 入選 他多数 [作品収蔵] 多摩美術大学美術館 INFORMATION
本村綾 個展『挿絵同版画展』 2024年1月26日(金) – 2月10日(土) 時間:火〜土 13:00 - 18:30(休廊日:日・月・祝) WADA GAROU TOKYO Lab. 〒104-0061東京都中央区銀座3-5-16 マツザワ第8ビル3 |